2026年3月期 決算説明会(機関投資家・アナリスト向け)
Q.中期経営計画の成長率が5%としている理由と、営業利益率が8.3%と変わらない理由を教えてく ださい。
A.2027年3月期から2029年3月期までの3カ年を対象とする中期経営計画につきましては、短期的な利益の最大化よりも、2030年3月期以降の更なる成長に向けた持続的基盤の強靭化に重点を置いています。
2030 年3月期を期間設定の節目とした理由は、外部環境、就中人口構造の変化を見据えた事業基盤・体制整備を、2030年3月期までに着実に構築する必要があると考えていることが背景にあります。このような背景より、2027年3月期は業容拡大と2028年・2029年の準備と企画、2028年3月期及び2029年3月期は次の成長に向けた基盤固めの実行期間として位置づけ、それを踏まえ、さらに昨今の米国・イランの紛争による先行き不透明感が高まる経済情勢を鑑み、売上高については、2027年3月期に前期比10%の成長を計画し、その後の2028年3月期及び2029年3月期については、それぞれ概ね5%程度の成長と設定しました。
売上高成長率については、主力の地方自治体向けBPO事業における業務領域の拡大及び取引地域の拡大、民間BPOの育成の他、製造系人材サービス事業の多様化、即ち派遣業務専一からの脱却を推進するなどにより達成可能と考えています。
一方、営業利益率については、計画期間を通じて8.3%と横ばいで設定していますが、これは、成長のために必要な先行投資を継続的に実施した場合に、確保すべき営業利益率として設定し、利益率の改善については、引き続き効率的運用などに鋭意努め向上を図ってまいります。
Q.前期時点の中期経営計画では2028年3月期の取引地方自治体数は240とされていましたが、 今期計画では2029年3月期で220と減少しています。その要因を教えてください。
A.取引地方自治体数につきましては、予てから数値を公表した期の過去3年間の取引実績を以って算出しています。今期につきましては、コロナ禍下に受注した福利厚生関連案件などが計上対象から外れることが想定されるため、2027 年 3 月期では、ある程度減少することが想定されます。また、今後は、既存取引先である地方自治体との取引拡大、即ち業務領域の拡大、住民窓口業務などの長期案件の受注推進を優先し、未取引地方自治体営業開拓は、適正な収支確保、取引の継続性有無を判断しながら引き続き推進したいと考えています。
以上から、取引地方自治体数については、2029年3月末では、220となる見通しです。
Q.世界経済の不透明感(地政学リスクや資源価格高騰等)が業績に与える影響について教えてくだ さい。
A.現時点におきましては、当社グループ事業への直接的な影響は顕在化しておらず、公共分野・民間分野ともに概ね大きな変化は生じていません。
しかしながら、今後は、イラン情勢の膠着化による原油価格高止まりなどにより、企業のコスト抑制意識の高まりや投資意欲の減退といった動きが発生する可能性が十分に考えられ、民間企業向けBPO案件では、案件開始時期の遅延や規模抑制、製造系人材サービス事業では、クライアントによる大幅な減産などにより受注量が大幅に減少することが想定されます。今般作成した中期経営計画の成長率については、これらのシナリオを踏まえた保守的な計画としています。
Q.業績予想について、売上高は10%成長に対し営業利益は5%成長となっていますが、営業利益が 二桁成長を見込んでいない要因を教えてください。
A.営業利益の成長率が売上高に比べて抑制されている主な要因は、将来の持続的成長に向けた先行投資を織り込んでいるためであり、具体的には下記3点となります。
①堅牢性を追求してリスクレジリエンス強化を目的に情報システムなどのインフラ整備に取り組む。
②並行して、業務運用、営業、内部業務などにおいてAIを始めとするIT技術を積極的に取り入れたBPRを推進する。
③さらには新規事業開発、新規業務開発への投資を積極的に実行する。
なお、②のAI導入、特に主力である地方自治体などの官公庁BPO案件に対してAIの導入を行うには、慎重且つ入念に考慮し、準備を行い進めるべきであり、研究開発を行うとともに業務改善を推進して競争力の向上を図る必要があります。考慮すべき代表的な事項として、まず、当社が受注するのは、入札等において価格などの比較優位性を訴求できなければならず、そのためのコストダウンと安定運用などについての「研究開発」を行う必要があります。さらには、AI活用に伴う個人情報や知的財産権の保護などコンプライアンスやモラル等の課題を完全にクリアしなければ、導入できないと認識しています。そのため、導入・普及を実現するには、それらに要するコストも相応に考慮して、今般の中期経営計画を策定しています。
Q.中期経営計画期間において、地方自治体BPO市場は拡大する見通しでしょうか。市場成長におい て懸念点はないか教えてください。
A.これまで事業地域の拡大に努めてまいりましたが、一方で、当社が受託できる業務領域についても多様化が進んでいます。このような足元の当社実績を鑑みると今後も当社が受注可能な業務の規模・範囲ともに拡大していくものと考えています。こうした背景を踏まえ、市場全体としても一定の成長が継続するのではないかと考えています。
Q.M&Aの方針として、対象領域や規模感、想定時期やシナジーなど公表できる範囲で教えてくださ い。
A.具体的な内容の回答は差し控えさせていただきますが、持続的成長のための事業ポートフォリオの変革と成長基盤の再構築であり、それを推進するためのM&Aと位置付けています。方向性としては、①新規事業を組み入れた業容拡大、②官公庁・民間BPO業務の業務領域拡大を主な目的としたM&Aやアライアンスなどを検討しています。
Q.入札段階における価格競争は厳しいのでしょうか。また、そのような環境下においても、貴社のオペレー ション能力や業務運営力を背景に、価格水準が維持されているという理解でよろしいでしょうか。
A.一般競争入札案件において、入札参加した案件が100%落札できるわけではないので、依然として価格競争は厳しい状況と思われます。
また、当社の競争力について、一概に強い・弱いとは申し上げられませんが、前期は、計画した売上高と売上総利益を達成し、それ以上の受注を確保できたことを考えると、相応の競争力は保持していると考えています。
当社は、主に入札価格の優劣を以って落札先が決まる競争入札だけでなく、過去の実績や提案内容などにより、落札先が決められると思われる指名競争入札やプロポーザル入札案件の受注比率も高いことから、クライアントである地方自治体様から一定の評価を得られていると考えています。
2026年3月期 第2四半期 決算説明会(機関投資家・アナリスト向け)
Q.通期業績予想では前期比で5%の成長率としていますが、一方で、通期業績予想に対する進捗は 営業利益で71.6%となっており、上振れ余地はありますでしょうか。
A.今期は、下期に計上を見込んでいた受注案件について一部、前倒しで上期に計上されたこともあり、従来、弊社に見られた業績の下期偏重は緩和されると想定しているものの、通期の売上高業績予想については達成できると考えていますが、現状の内外環境が不透明な状況であり、着地の見通しについては、変動要因が多いことから精緻な見通しを立てられる状況ではないと考えています。
営業利益以下各利益につきましても、売上高着地が不透明であることに加え、プロ人材の採用、情報システムの整備、新規事業開発やM&Aなどの投資に積極的に取り組むことを考えており、現時点では、投資総額がどの程度になるか、まだ固まっていません。そのため、業績予想は据え置きとしている次第ですが、売上高同様に現在公表している通期の各利益業績予想についても達成できるものと考えています。
Q.地方自治体取引数について、203地方自治体と、1Q時点からあまり増加していないようですが、 原因は何かあるのでしょうか。
A.今期は、今まで取引がなかった大規模政令指定都市の他、地方中核都市との取引が開始されています。引き続き、取引地方自治体数の拡大を図っておりますが、上期は、既存取引地方自治体とマイナンバー関連、戸籍法改正関連に加え、給付金や市民課業務の受注、所謂「アップセル」に注力していたことから、取引地方自治体増加が鈍化しましたが、逆に既存取引先とのパイプが太くなったと考えています。
A..従来、スポット案件の比率が高かったことを踏まえ、スポット案件への依存度を減らすべく「体質改善」に取り組んでおり、現時点では、業務請負契約全売上高の凡そ5割~6割を占めるまでに至りました。
今後、内外環境の変化などにより、大型スポット案件の受注、若しくは、受注を想定していた案件の規模縮小などの変動が想定され、この比率も変動することが予想されますが、「ストック型」への「体質改善」が確実に進捗していると考えています。
A..2025年9月末時点で380名弱が在籍しています。今後は、中核人材の他に情報システム、業務企画を始めとする管理部門の中核人材の採用も併せて進めていきたいと考えています。
2025年3月期 決算説明会(機関投資家・アナリスト向け)
Q.東証から要請されている「株価を意識した経営」について、貴社の考えを教えてください。
A.1つには、適切な株主還元を行うことを考えており、その内容につきましては、本日の資料P23~P24に記載しております。次に企業価値向上につきましては、同じく本日の資料 P31~P32 に目標としているROEの他、PBR、PER等の指標を記載し、この達成を目指したいと考えております。
Q.東証から投資単位引き下げについて発表がありましたが、貴社は株式分割など検討されますか。
A.東証からは、詳細な説明等が行われていないので、具体的に東証から指針等が公表されましたら、それに基づいて対応を考えたいと存じますが、まずは、当社よりも株価の高い企業がどのように行動されるのかを参考にさせていただくことになるかと存じます。
Q.中期経営計画の3年間の中で、累進配当制度の導入や増配の可能性はありますか。
A.増配等については、可能性としてはゼロではありませんが、まず、現時点においては、中期経営計画の目標数値を達成することを第一に考えております。
A.現状では長期契約案件を伸ばすことを目的としておりますので、特段開示はしておりませんが、2025年3月期のスポット案件比率は、僅少でありました。
Q.地方自治体のリピート率について教えてください。
A.おおよそ8割程度の自治体が、継続して次の契約、もしくは、複数の案件に繋がっております。
Q.「新規業務開発」「新規事業開発」とは具体的にどのようなものに着手されているのか、もしくは、検討 しているのか教えてください。
A.「新規業務開発」とは、既存の事務系人材サービス事業、製造系人材サービス事業から派生した業務開発を指します。具体的な例として、製造系人材サービス事業における請負業務などが挙げられます。
一方、「新規事業開発」とは、事務系人材サービス事業、製造系人材サービス事業を出発点として、当社が従来取り扱っていない新規分野への進出を指します。
Q.中期経営計画で営業利益率は、前期6.7%をさらに下回って6.4%で、9%台以上への回復は 難しいのでしょうか。長期的に利益率を2022年3月期並みに戻すことは検討されていますか。
A.今回、発表した中期経営計画では、持続的成長の基礎を構築することを主目的としており、持続的成長の基礎構築には、多様な新規事業開発・新規業務開発、DX化推進などの体制構築・強化等が必要であり、その遂行には、積極的な投資が必要であるので、人件費、経費の増加が見込まれます。この結果、営業利益以下については、微増する計画としております。また、現状の当社経営資源から考えると積極的な投資を行いつつ売上高の成長を追求した場合、中期経営計画期間の成長率は年平均5%程度、営業利益率は横ばいが妥当であると考えております。